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中国 工場視察レポート2014/ 4/ 2

ブログをご覧の皆様はじめまして、新入社員のHです!
3月の半ば、Toyaスタッフ3名での中国工場視察に行って参りました。
お客様に満足頂けるアイアンを届けるために、非常に重要な「製作」の現場について。
レポートさせていただきたいと思います!!
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早速ですが……
Toyaのアイアンが、設計図から形となって飛び出してくるのは…こんな工場です
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人っ子ひとりいない…ように見えますが、中ではまさに作業中。
掘削音が聞こえてきます
工場の中はいくつもの工程ごとに別れており、それぞれ担当の職人さんがいました
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こちらは唐草の端部、くるんの部分を曲げている最中。
火にくべて熱した鉄を、サッと取り出して、サッと固定して、クイっと曲げる…
…と言うと簡単なように聞こえますが(笑)、そして職人さんは実際、いとも簡単に曲げているように見えるのですが、そこは勿論、職人技の成せる技なのだと思います。
先っぽの曲がりや回転率が甘いだけで、全体が台無しになってしまうこともあります。
エレガントな唐草にも、ゴージャスなくるりんにも、端部の仕上がりは大切です。
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こちらは 研磨中 の写真。
その名の通り、磨いて傷を綺麗にしたり、凹凸を滑らかしたり、逆に溶接で潰れてしまった鋭角を取り戻したり…、そんな作業です。
この後、塗装をしてしまうと鉄に直接細工することはできなくなるので…
ディテールに関わる、かなり重要な役割だなぁ と、個人的には感じました。
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こちらの、ちょっとホラーチックな小部屋…
ここでは塗装の前段階、サビ止めの加工や、ザラっとした感触に加工するための設備があります。
ザラザラ加工に使用するのは、砂。…本当に、砂です。笑 なのでこの小部屋の中だけ…砂漠状態でした
決して華やかな工程ではありませんが、縁の下の力持ちのような仕様です。
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こちらはまさに  塗装中  の様子。
今回は珍しく、シャンパンゴールド色です。
下地を何度も重ねて吹付けて、その上からシャンパンゴールドをこれまた何度も吹付けます。明るい色味なだけに、ムラや塗りこぼしは許されません
丁寧に作業してくれていました。
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手前にある木と鉄骨で作られた箱たち… こちらは 輸出用 の梱包材です。
Toyaが輸入する製品も、こういった鉄骨でまとめて運ばれてきます。
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こちらは… とある職人さんの作業場 です。
左にある鉄の机?のような台の上で、作業をするそうです。
ここが水平で滑らかでないと、もちろん製品も曲がってしまうので、とても綺麗に保たれていました。
職人さんのプロ意識ですね
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今回の視察の目玉でもあったのは・・・
製作途中の オベリスク です
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こちら、3次元的な動きをする曲線…
さらに端部は下窄まり…
という、図面で表現するには難度の高いデザインだったのですが…
正確に製作されており、一安心
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この円盤上に、鉢植えを置いたり…できます
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この角度で見る曲線がとっても美しいです
そんな頻繁に中国には来れないのですが…
やはりこういった手の込んだデザインには、職人さんと会って話すのが一番です
オベリスクの施工完了後は、また後日、レポートさせていただきたいと思います
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こちらは個人的に…
あら、と気になった薔薇
(試作品なのか、作業台に転がってました…笑)
5分咲き(?)くらいの小ぶりな形で、さりげない存在感…
…こうして工場にある素材を見て触ることからも、新しいインスピレーションをもらえました
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始めに書きました、鉄を熱する釜の近くには
エアハンマーという機械があります。
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…こちらです。その名の通り、熱した鉄をハンマーで「叩き加工」するための装置です。
あえての手作り感が出るので、人気の仕上げです
この装置は動きが大きく、稼動音がものすごいので、ちょっと怖い&危険そう…なのですが。
職人さんはさすがの腕前で、あっというまに…
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こんな 叩き加工の玉 を作ってくれました!
ころころ転がってしまう玉をうまく動かしながら、エアハンマーの力加減も均一に調節する、という…間近で見る職人技に、大変感動しました
これは素地なのでちょっと無骨ですが、綺麗に塗ったらいいアクセントになりそうです
鉄は熱せば曲がる…のは、その通りなのですが、熱した後が意外と大切なのだそうです。
急冷や2度加熱などすると、硬化したり、脆くなったり、酸化したり…、そんなこともあるようで。
アイアン!と聞くとなんでもアリに思えますが(笑)、加工の仕方いかんによっては、意外と繊細な面もあるようです。
職人さんたちはいつも、それを踏まえた上で、Toyaのデザインを再現する為に最も適した製作方法を採ってくれています
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中国と言えば…
最近何かと取り沙汰されているPM2.5…
見てください…
この、ホテルの窓から見下げた光景を…!!
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こ、これは・・・・なんと・・・・
ただの霧です。 ※本当です。笑
紛らわしくてすみません。笑
今回伺ったのは、比較的空気の綺麗な地域でした
それにしても物凄い濃霧で・・・。
5メートル先が真っ白…な瞬間も、何度かありました。湿度100%です。
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こちら、海峡橋の上を走っている写真なので、柵の向うは…海!なのですが。まったく見えません。
ある意味で幻想的な光景でした、、。
2泊の滞在にも関わらず、やっと滞在した街の全景を見ることができたのは、帰路につく2時間前でした…。笑
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ホテルから見た街の風景…
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ホテル周辺の町並み…
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 最後に 
いかがでしたでしょうか?
デザインを決めてしまえば、いつのまにか船に乗ってやってくるロートアイアインたちですが
現地ではもちろん、人の手によって作り上げられています。
今回伺った中国の工場では、1点物も、同じデザイン×10も、同じくすべてが手作業です。
それに加え、TOYAの製品は全てオリジナルのオーダーメイドです。
こだわりの製品を完成させるために、毎回、工場とひとつひとつ細かいやり取りを行っております。
中国の職人さんたちは、皆さんプロ意識が高く、こちらの注文にはいつもビシッと答えてくださいます
まだまだ勉強中の私ですが・・・
作る側と受け取る側、ともに充実できるようなお仕事ができるよう
今後とも精進してゆきたいと思います
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